家を買うか、賃貸に住み続けるか。
どっちがお得?
マイホームの相談を受けていると、聞かれるこのテーマ。
私自身、不動産エージェントとして多くのお客様と向き合ってきましたが、答えは一つではありません。
だからこそ、今日は一意見として私の正直な考えをお伝えしたいと思います。
目次
私の結論から言うと…
⚫︎持ち家に夢があって長く住む予定なら、持ち家。
⚫︎損得を考えるなら、賃貸。
つまり、「どんな将来を考えているか」によって住まいの選択肢は変わると言うこと。
よくある論理「家賃は掛け捨てだけど、持ち家なら資産になる?」
賃貸は、毎月払っても何も残らないので損をしている気がしてしまいます。
でも住宅を購入すると、ローンを組んでも利息はつくが元本部分は貯蓄をしているのと同じで、その分が“自分の資産になる”――
これは多くの不動産営業が使う、いわゆる“セールストーク”です。
ただ、冷静に考えてみてください。
たしかに住宅ローンの元金は資産になりますが、利息は戻ってきません。
固定資産税、保険、メンテナンス費用…家を持てば持つほどランニングコストは増えます。
しかもローンは長い。金利が低いとはいえ、完済するまで支払いは続きます。
意外と費用はかかっています。
35年後、その家にどれだけ価値が残るか?
たとえば、4,000万円の新築戸建てを購入した場合
土地代は約2,000〜2,400万円(物件価格の約50%〜60%)
建物代は約1,600〜2,000万円(約40%〜50%)
くらいかと思います。
木造住宅は会計上、22年で減価償却され、建物価値は“ゼロ”扱いになります。
実際の売却ではゼロにはなりませんが、それでも価値は下がり続けます。
よっぽど好景気にならない限り不動産価格は下落していくので、30年後に同じ価格で売れるとは考えにくい。
仮に30年後に2,000万円〜2,400万円(新築時の約50%〜60%)で売れることが多いです。
仮にこの金額で売れたとすると購入時より2,000万円〜1,600万円のマイナスです。
30年で2,000万円のマイナスだとすると年あたり約66万円。
月あたりにすると約5.5万円が30年かけて“目に見えない出費”として消えている計算になります。
このマイナス分と住宅購入後のランニングコストを考慮すると。
賃貸の方が”得”になります。
じゃあ賃貸の方がいいの?
ランニングコスト+将来的な資産価値の下落を加味すれば、賃貸の方が「お得」に見えるケースは確かにあります。
さらに、不動産業界ではこういった“マイナス面”はあまり語られません。
なぜなら…仲介手数料が賃貸より売買の方が圧倒的に大きいからです。
4,000万円の売買を仲介する場合と一ヶ月の家賃8万円の賃貸を仲介する場合だと、
手数料が1,386,000円(4,000万円×3%+6万円+消費税)と8.8万円(8万円+消費税)となり、圧倒的に売買の方が旨みがある。
お客様が「家を買いたい」と思って不動産会社に来る限り、
購入を勧める方が合理的――これは業界のリアルです。
ではどちらを選ぶべきか?
ここが一番大事なところですが、私はこう考えています。
💬 長く住むことに夢があるなら、迷わずマイホームを。
💬 資産形成を優先するなら、賃貸×投資物件の選択肢も視野に。
住宅ローンは“負債”です。
あなたの財布から毎月お金を引き出していく存在です。
もし「資産を築きたい」と思うなら、
まずは“お金を生む資産”(投資物件等)を買うのが本来の順番です。
資産形成はマイナスから始めるのとプラスから始めるので結果に雲泥の差が出るからです。
家は「幸せを買うための選択肢」
私は、家を「人生で一度の買い物」だとは思っていません。
実際、今住んでいる家も「子どものために買った家」だと考えています。
将来は子どもが巣立ったら、売却して夫婦2人で住めるマンションに移る予定です。
私にとってのマイホームは、“未来の選択肢を残す手段”。
だからこそ、「今、幸せに暮らせるか?」を最優先にして家を選びました。
まとめ:住まいは「人生戦略の一部」
あなたの将来設計が
マイホームの夢を叶えることなら、今すぐにでも家を買うべき。
将来的に大きな資産を作りたいなら賃貸一択。
あなたの価値観に合った“ちょうどいい家選び”、このブログではそんなヒントを発信しています。
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