家を買ったら、生活が整う。
そう思ってました。
実際に、私もそう信じてました。
だけど、戸建てを買ったその日から“物が増える未来”が始まっていたんです。
■ 最初は「広くて快適」だった
不動産業に足を踏み入れてから間もない頃、勢いで買った今の家。
それまで3DKのアパートで夫婦と子供1人の3人家族だった私たち家族にとって、
4LDK+小さな庭付きの戸建てはまさに“夢”でした。
「これでモノが片付くね」
「子どもが増えても余裕あるね」
「収納もいっぱいあるし」
そんな期待に満ちていた新生活。
…でも、そこから数年。
”気づいたら、家が物に支配されてる”感じがしてきたんです。
■ 収納がある=物が増える
戸建てには、収納があります。
押し入れ、各部屋に広めのクローゼット、床下収納、小屋裏、庭の物置…。
そのすべてが「物をためこむ魔窟」に変わるのは、一瞬でした。
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子どもの服「まだ使うかも」で捨てられない
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ベビーカー、三輪車、使わないけど捨てづらい
- 壊れてんだかなんだかわからないけど大事にしているおもちゃ
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家電の箱、何となく取ってある
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もう使ってない加湿器が2台…なぜ?
収納が多いから、物が増えても気づかない。
気づいたときには、どこもパンパン。
物だけじゃない。子どもも4人に増えて、もらった洋服が段ボールに山積み。
■ 家が広くなると「余白」に物が置かれる
不思議なんですけど、アパートの頃は絶対置けなかったモノが、
戸建てになると「置けちゃう」。
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ソファの横にサイドテーブル
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廊下に空気清浄機
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脱衣所に2段のストック棚
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玄関にベビーカーや大量の靴
便利なんです。便利なんだけど…見た目が雑然としてくる。
無駄な物は買わないようにしよう。
物を減らしてスッキリさせよう。
そう思ってもなかなかスッキリしない。
■ 子どもがいると、思い出が増える=物も増える
我が家は子どもが4人。
学年も性格もバラバラで、それぞれにお気に入りのモノ、
成長に合わせた服、工作、通知表、作品…。
それらは“思い出”でもあり、全部が「捨てられない物」でもあります。
親の私たちも、成長の記録を手放すのは少し寂しい。
でも、その優しさが…モノの山を作っていく。
■ じゃあどうする?
最近意識しているのは、「収納は家の大きさじゃない」ということ。
“生活のリズムに合った量だけを持つ”こと。
それができれば、戸建てでも物に振り回されなくなる。
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捨てるのが苦手なら「1in1out」ルール(1つ入れたら1つ手放す)
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子どものモノは“毎年1回”見直す
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収納は“使ってるもの”のために空けておく
■ 最後に:戸建ては、物と心の距離が試される
戸建てに住んで10年。
感じてるのは、「空間があると、余白も欲しくなる」ということ。
モノにあふれると、心にも“隙間”がなくなってくる。
だから、モノを持つ前に「この先の暮らしに必要か?」を考える。
戸建てに住んだからこそわかった、“広さに甘えない暮らし方”。
そんなことを、不動産エージェントとしても、4人の子を育てる親としても、ちょっとずつ伝えていけたらと思ってます。